家族のポテンシャル

こんにちは、kay(ケイ)です!

突然ですが、

昨日兄から電話がかかってきまして。

どーした?どーした?

と、両親やお互いの近況を

話しておりますと、

「いやあ、オレ、

好きな子できちゃったんだよね。」

と兄。()

お、お兄ちゃん!!()

てなわけで、

少し我が家の関係性を

振り返ってみることにいたします。

今日もお付き合いください。

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ザ・昭和の家族

私の両親は共に80を超えて

今なお健在という、

天晴れお元気な夫婦であります。

ここへきて狭窄症の手術をしたり

少しお手伝いが必要だったりと

日々の生活はすっかり

スローモードですが

とにかく2人で頑張ってる

ってのが本当にありがたい。

さすが、戦前・戦中生まれは

気骨と体が違います。

父は現役時代に

東芝でカラーテレビの

設計をしておりまして、

母は専業主婦でありましたので

私と兄は高度成長期に

一般的なサラリーマン家庭で

育てられました。

両親はそれぞれ子供時代に

祖父を亡くしていた上に

両家とも5人兄妹という

戦後だからなんとか食えた、

ような子供時代を過ごしたようです。

貧乏がどれほど苦しいかを

肌で知っていた両親は

社会の枠にキチッと収まって

大人しく、慎ましく

家族を営んでいく、

というような

非常に几帳面な人たちです。

私と兄は経済的には

何の不安もなく

子供らしい子供時代を

過ごしたのですが、

大人になる過程で

ほんの少しだけ

「ウチの家族って絆薄くない?」

と思っておりました。

もちろん両親から

家族に対する愛情は

しっかりと感じておりますが、

まあ、昭和の男と

昭和の女は感情を出さない()

余計なことは口にせず

黙々と、淡々と。

何事もガマンだニンタイだ、

と色んな事に耐えてくれていたのです。

今考えれば

照れやら日本文化やら

色々理由はあるのでしょうが、

それにしたって

一体あの2人には

お互いに対する愛情なんて

あるのかしら?

今、2人きりで暮らしていて

本当に幸せなのかな?

電話してきた兄が

珍しくこんな話をしてきたもので

私は、はたと考え込みました。

そういや、私たちは

家族で何かについて

話合った事が一度もない。

仲はいいけど、

お互いが本当に考えていることや

今何に興味を持っているかなんて

全く知らない事に

愕然としてしまいました。

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52歳にも青春がある

2度の離婚を経て、

中々の人生経験を積んだ兄は

今年で52歳になりました。

気ままに自分探しを

続けている彼には

結婚制度はどうも

合わないように感じるらしい。

妹の私からすれば、

選んだ相手のタイプじゃないの?

と喉まで出かかっているのですが

中年青春野郎の

ナイーヴな心を

傷つける訳にはいきません。

離婚後、お約束の

「もう女はいい。」

という言葉を

すっかり踏み越えて

彼はまた女を好きになるのです。

人生ってこうじゃなくっちゃ()

私は今回、

彼がそんなプライベートな事を

私に話してきた事が

とても新鮮で、嬉しかった。

遅まきながら

家族ってこんな感じなんでは、

と気楽に話せるようになった事を

1人喜んでおります。

人間、行動は変えられるけど

性根は変わんないよね、

あの頃と全然変わんないよね、

と笑い合えるのは

お互いの幼い頃を

知っている者同士だけの

特権とでも言うんでしょうか。

私と兄は一度転校した先で

どうしても地域や学校に馴染めず

不登校にこそなりませんでしたが、

学校での思い出がほとんどありません。

大人になって母から

「あんたは意地悪な子に

靴を隠されていたのよ。」

と聞きましたが、

いじめられていた事すら

ほとんど覚えていないのです。

だから兄がこの歳になって

もちろん成長はしてるのでしょうが、

10代の頃のような気持ちを

味わえる相手ができたのは

「なんか、取り戻してるなあ。」

と思うのであります。

見たことない事はできない

彼の結婚生活時代の話を聞くと

言葉の少なさや、

自分の世界から出ようとしない様が

私たちの父にそっくりです。

結局どんな人も、幼少期の環境が

ほとんどの価値観を決めてしまう。

私の両親は人と話し合う事が

非常に苦手だったと思います。

その上の、祖母や祖父がまた

それをしない人たちだったようです。

その習慣がない人たちにとって

「ちょっと話し合いましょう」は

恐怖の誘い文句です。

だって、やった事ないもん。

体裁を繕うために

親は必死で色んなものを買い与えますが

じゃあ、この問題について

ちょっと話そう、は恐怖です。()

何を、どうやって?

私の家族は、進学などの

金銭的な問題以外は

ほとんど自己解決でやってきたので

悩みを打ち明ける相手は

家族ではなかった。

一番話しやすいはずなのに、

何となく言っちゃいけない雰囲気。

自分の感情を表す事自体が

今で言えばカミングアウトに近かった。

幼少期に家で見ていないものを

大人になってスムーズにできる人なんて

きっといないと思います。

もちろん、私と兄の

人間関係の築き方は

両親の影響を多分に受けています。

2人とも必死に

父と母が避けてきた事に

ぶつかろうとして

数々の失敗を繰り返してきましたが、

両親のやり方では

「人との繋がりを持つのは難しい」

という事だけは

体で覚えてきたような、

そんな気がしています。

この歳になるまで、

それを突き詰めて考えてこなかった事に

少しは後悔しておりますが、

兄の電話のおかげで

我が家のポテンシャルを

感じる事ができました。

「いや、ウチの家族は

これから、これから。」

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