こんにちは、kay(ケイ)です!
唐突ですが、皆さん、活字読んでますか?
これほど動画の時代と言われると
私なんかは天邪鬼が出まくって
ここしばらくは本の虫です。
動画は見すぎて
集中力がめっきりなくなってしまい
15分が長く感じるように
なってしまいました。
その点、活字は裏切りません。
自分のペースで自分の想像で
文字だけを追うので疲れたりしないのです。
そんな訳で、
特に最近気になり出したのは
寺田虎彦という人物。
彼は戦前の物理学者であり
随筆家であり、俳人でもあった
とてもユニークな男性です。
彼の随筆を読んで、私が昔から感じる
「強く惹きつけられるもの」を
思い出したので
今日はそれについて
書いてみようと思います。
最後までお付き合いください。
Contents
読書感想文
先日、寺田虎彦著の
「神話と地球物理学」を
読みました。
彼の考察は
「国々の神話の中に
その国々の気候風土の
特徴が濃厚に印銘され
浸潤している」
だそうです。
つまり、様々な神話を読むと
その国の気候風土が
色濃く反映している、と。
スカンジナヴィアの神話では
驚くべき氷や雪の現象や、
あるいはそれを人格化したものが。
はたまた日本の神話では
火山の噴出や地震による
海底隆起で島が現れる現象など。
なるほど、確かに言われてみれば。
寺田いわく、
「スサノオノミコトに関する記事には
火山現象を如実に連想させるものが多い」
のだとか。
私が一番面白い!と思ったのは
「八俣の大蛇(ヤマタノオロチ)の話も
火山から噴き出す溶岩流の光景を
連想させるものである」の部分です。
身は一つで頭と尾が
それぞれ八つ。
眼は真っ赤に燃えて
腹は血にただれて。。。
そんな様相の大蛇が
山からすごい勢いで
滑り降りてくる。酒船を狙って。
これが実は、溶岩流にも
見て取れるという訳です。
伝説や言い伝えには
数多くの比喩や戒め、
先人たちの教えが含まれています。
そして、もちろん
その国の成り立ちも。
いやはや、神話を読む眼が
ガラリと変わりそうです。
というか、もう一度
古事記を読もう!
なんて思ってしまいました。
この感じ、前にもあったような。。。
寺田は物理学者ですので、
彼の視点で言えば
神話に散りばめられた
その国の気候風土を
感じ取ることは難しくないでしょう。
けれど私からすれば
「すげえカッコイイ!」
ワケです(笑)
だってヤマタノオロチの話を聞いて、
まるで溶岩だ、と思えますか?
想像力が科学的、というか
なんというか。
そう言えば昔、
「コンタクト」という映画の
ラストシーンで、主人公が言った
「僕たちは科学と宗教は
共存できると信じている」
という言葉に同じ感情を持ったなあ。
あの映画の原作は
カール・セーガンとアン・ドルーヤン。
「遥かなる宇宙へ」も大好きだった。
あるいはスティーブ・ジョブスが敬愛していた
エドウィン・ハーバート・ランドの
「科学と人文学の交差点にいる人間にこそ価値がある」
という言葉。
今まで私が強く惹きつけられてきた
「魅力的な人たち」には
どうも、共通点があるようです。
別々のようで、実は繋がってる!
一見、正反対に見えるものや
全く関係の無いものが、
一人の人間の視点や考え方で
繋がっていく時、
私は強く心を動かされます。
数学者が自給自足で暮らしていたり
プログラマーがサーフィンに夢中だったり
自分の周りにも
「科学と人文学の交差点」に
立っている人は多いのです。
私はそういう人たちに
惹かれる傾向があるようです。
コンピューターにも
他の生き物にもできない、
「人間らしさ」を
そこに見るのでしょうか。
なんとなくバラバラでも
それを繋げてくれる人が
必ずいるのです。
一生のうちに一回くらいは
「その人」になれるとイイなあ。
と心底思います。
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