百貨店はディズニーランド

こんにちは、kay(ケイ)です!
私はアパレル販売員として
20年以上働いて来ました。
バブル期やら氷河期やらを乗り越えて
ほとんどの都内の主要百貨店に
お世話になりました。
未だにスタッフとして
勤務した事がないのは、
浅草の松屋さんと
上野の松坂屋さんだけでございます。
そんな私は常々、
これほどクオリティの高い
サービスを提供できるのは
日本の百貨店だけではないかと
感じている次第です。
販売員に求められるのは
当然「1に売り上げ、2に売り上げ」
ですが、それ以上に
接客応対に厳しいルールがあります。
ちなみに「百貨店」とは
百貨店協会に加盟している
商業施設の事で、
駅ビルやマルイ、パルコや
109などはこれに当てはまりません。
都心の店舗ですと
三越・伊勢丹、高島屋、
松屋、松坂屋、大丸、
京王、小田急、東武、
そごう・西武などでしょうか。
(順番は私の個人的な評価が入っています)
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入店の際には自社とは別に
就業先の店舗のフロアマネージャーや
統括などとの個人面談があり
その館に在籍させられるかどうかを
百貨店側の人間が決める体裁を取っています。
今はどうかわかりませんが
昔はその面接で泣かされて
入店を辞退した新入社員も
結構見かけました。
取引先の人事にそこまで
口を挟むなんて
傲慢で高飛車だ、と
思われるかもしれません。
(私は思っていました)
ですがうまくしたもので、
そこまで精査しないと
お客様のニーズに応えられない、
という問題が起こってくるのです。
昔から百貨店で購入されるお客様は、
単にその時に必要なものだけを
買いに来る訳ではありません。
私が子供の頃は
「百貨店は特別な家族のお出かけ」でした。
オモチャを買ってもらえて
父は万年筆やカメラを、
母は食器やリネンを、
そして家族でちょっとイイお食事をする。
1日過ごせて、全てが揃う。
細やかなサービスと共に。
そんな「夢の国」の裏方は
それはそれは大変です。
特に主要駅にある百貨店は
競合店が近い事もあってか
お客様を満足させるために
修理や配送に至るまで、
分単位で刻まれた手順があるのです。
「販売する」技術は当然ですが
その館に配属された販売員は
ハウスカード(百貨店のクレジットカード)の
知識から、フロアガイド、修理・配送、
周辺の道案内を含めた全ての情報を
頭に叩き込んでおくのです。
今ではコンシェルジュや
ポーターなどがキチンと配置されていますが
ちょっと前はそれを全て販売員がやっておりました。
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例えばパンツの丈を
直して今日持って帰れるのは、
日本だけじゃないでしょうか?
百貨店内で修理に出せば
シングル上げなら30〜40分で
キレイに仕上げてくれるのです。
欠品していた場合のお取り寄せは
その後自宅に配送すると送料無料だったり
その百貨店のクレジットカードを持っていれば
電話注文だけで決済・配送までできたり。
つまり
「百貨店ならやってくれる」
という消費者側の高いニーズが
長い年月をかけて出来上がって来たのです。
そして、もっと驚くのは
百貨店に勤務しているほとんどの人は
月給で働いています。
つまりインセンティブ(歩合)ではないのです。
今は会社によっては
違うかもしれませんが、
ほとんどの場合、自分の売り上げと
お給料は比例しません。
世の中の情報が取れるようになった今では
「まあまあヒドイ環境ね」と
思うようになりましたが(笑)
でも、だからこそ
あの高い質のサービスを当然のように、
どのお客様へも提供できる環境を
作っている人たちに頭が下がります。
ミッキーやドナルドがいなくても
お給料に影響しなくても
来た人みんなを楽しませようとするのは
並大抵ではできません。

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